• 悪性リンパ腫を克服した70爺の愉快な生きざま

 全国重症心身障害児(者)を守る会 九州・沖縄ブロック長崎大会が、2025年11月22日(土)~23日(日)、長崎県大村市の「シーハットおおむらさくらホール」で開催された。
「全国重症心身障害児(者)を守る会」とは、身体的にも知的にも重度の障害を持つ人たちを守るため、「最も弱いものをひとりももれなく守る」という基本理念に基づき、昭和39年に設立された団体である。重症心身障害児(者)を中心に親・兄弟が主な会員であり、2年に1回九州・沖縄各県持ち回りで大会を開催している。

 記念講演は、今回の会場となった長崎県大村市の市長の園田裕史さんが「私の歩んだ道~障がいのある家族とのかかわりの中で~」の演題で講演された。
 園田市長は父親が重度の身体障害者であり、そのような環境下での生まれ育った自分の思いや家族との色々なやり取りをユーモアを交えながら話された。
 地元の大村工業高校の電子工学科(パソコン等を作る技術を学ぶ)に入学したが、卒業後は福祉の道に進むべく専門学校等に通ったことを話された。障害を持つ父親も自分の障害を隠すような人ではなく、就職の時の作文作成と面接の時には「父親の障害のことについて書いたり話したりしなさい!」とヒントを与えてくれたとのことである。
 そのようは人であるからか、福祉については熱弁を振るわれた。特に大村市を一つの総合病院として捉えていると話された。例えば、市内にある歯医者さんは総合病院の中の歯担当の部屋、市内の耳の病院総合病院の中の耳鼻咽喉部門等々。その例えが面白かった。

 先天性代謝異常と言う難病で生まれた長男を44歳で看取り、最後な場面の心の葛藤や周囲の人たちの心配り、事前の準備、当日の対応、その後の手続等を次のように話した。

 私は昭和45年から林野庁に勤務していた中、昭和53年5月に東京で長男の真一郎が誕生しました。25歳になった昭和55年。伸一郎には先天性代謝異常の疾病があることが分かり、家族みんなで真一郎を支え育てていくことを決意しました。
 昭和59年から3年間、林業技術協力としてタイ国に滞在した際は、真一郎も同行し、チェンマイの幼稚園でお世話になりました。平成元年に近畿農政局、農業者年金基金出向等を経て九州農政局へ勤務することになり、真一郎は熊本県の「国立病院機構菊池病院」に入所しました。その後、平成6年に「くまもと江津湖療育園」へ入所し、翌平成7年に「熊本養護学校中等部」を卒業。平成11年に「松橋養護学校の高等部」を卒業しました。その後、2019(令和元)年12月からコロナ禍が始まり、2023年5月まで続きました。日本では、2020年に緊急事態宣言が発出され、様々な制限が課されました。コロナ禍が広がる中、感染状況に応じて対策が変更されましたが、最終的に2023年5月に主要な制限が解除されました。
 そのような中、2022年末の12月29日。江津湖療育園から真一郎の病状が厳しくなりつつあるとの電話があり、夫婦二人ともに園に泊まり込みました。30日から31日にかけては、すやすや眠った状態で、時折目を開けては語りかけてくるような感じでした。しかし、翌1月1日の午前9時、看病の甲斐もなく真一郎は眠るようにして息を引き取りました。44歳の短い人生でした。真一郎の死を通じて、人として前もって考え、備えておくべきことの大切さを感じました。その経験を元にこれからお話ししたいと思います。参考にしていただけましたら幸いです。

Xデイは必ず来る

 「生老病死」すなわち、生まれること生きることの苦しみ、老いることの苦しみ、病気になることの苦しみ、そして死ぬことの苦しみは、人間にとって避けることのできないことです。そしていずれも日にちは決まってはいないが、「死」は、いずれ100%到来します。死を前に事前の準備は不吉なのでしょうか?人生の最後に向けた活動、いわゆる「終活」の時代に備えることは大切です。家族、特に兄弟姉妹の負担を軽減するためにも専門家に相談したり、仲間に相談することは必要だと思います。

葬儀の基本的な流れと種類の理解

 そこでXデイに備えておくために、日本における一般的な葬儀の流れを説明しておきます。

・通夜は、故人を悼み静かに過ごす夜間の儀式で、家族や親族が集まります。
告別式は、故人との最後の別れを告げる正式な式典で、多くの参列者が訪れます。
火葬は、日本の葬儀で重要な工程であり、故人の遺体を焼却します。
法要は、故人の供養を目的とし、一定期間後に行われる追悼儀式です。

 事前の準備として「写真」の選択、住職を含む葬儀会社の内定、親戚、友人、知人、施設関係などの連絡先など、前もって把握しておく必要があります。Xデイは予期せず来ることが多くありますので、事前の準備や心構えも備えておくことが大切です。

Xデイ(通夜及び告別式)

 事前の準備があれば落ち着いて対応できます。まずは、葬儀会社への連絡。続いて関係連絡先への連絡。葬儀会社との打ち合わせ。これらは家庭内での事前の打ち合わせが重要です。そして、お坊さん(住職)への連絡と死亡届の提出があります。

葬儀後の① 役所関係

 役所には、まず死亡届の提出が必要ですが、これは葬儀会社が代行してくれることが多いと思います。しかし、コピーを取っておくことを忘れないでください。次に、身体障害者手帳・療育手帳・受給者証・国民健康保険者被保険者証の返還があります。また、重度心身障がい者(児)医療助成費の手続きとして資格証の返還と医療費の申請があります。そのほかに葬祭費(熊本市の場合は2万円が支給される)の支給申請もあります。

葬儀後の② 年金関係

 年金関係の手続きとして年金事務所への連絡が必要です。これは電話で可能です。そのために年金事務所の電話番号を前もって確認しておいてください。その後年金事務所から書類が送ってきます。その中に「死亡届」の提出を求められます。年金を受け取っている方が亡くなった時に、本来もらえるはずだったのに、まだ振り込まれていなかった年金、すなわち「未支給年金」がある場合、請求する必要があります。

葬儀後の③ 裁判所(成年後見人)関係

 家庭裁判所へ電話で「基本事件番号:平成〇年(家)第〇〇号 被後見人〇〇」を告げてください。その後、家庭裁判所から「被後見人(本人)が死亡された後の事務について」が送られてきます。
 提出を求められる資料は次のようなものです。 
・除籍謄本または死亡診断書のコピー 
・後見等事務終了(相続財産引継)報告書 ・本人の財産状況(財産目録)記載の財産の内容を証明する資料(預貯金通帳、証券等のコピー等)
・10万円以上の入出金報告書(年金・施設費・入院費を除く)・・・前回報告以降に10万円以上の入出金がある場合に作成し、領収書と一緒に提出
・財産受領書(後見人以外の方に本人の財産を引き継いだ場合に提出)

葬儀後の④ 貯金(郵便局)及び預金(銀行)関係

 相続人が預・貯金等を相続するための手続き
 ・郵便局または銀行へ連絡します~提出すべき資料が手渡されます。
 ・提出資料の中に「戸籍謄本」が必要になります。その際は「改製原戸籍」を取ること。
「改正原戸籍」とは:戸籍法の改正により戸籍の様式の改製(作り直し)が行われることがあり、改製される前の古い戸籍の様式を「改正原戸籍」と言います。

最後に大事なことをお伝えしておきます。
 ・自分自身の基本的な考えを持つこと
 ・葬儀の形式は宗教や地域により大きく異なるものです。世間や風評に左右されることなく、故人をどのように見送るのか、また、その後お墓の問題をはじめ、供養をどのように営んでいくのか?自分自身の哲学を持って対応することが大切です。
 ・家族だけで営む場合、自宅から離れた施設や病院に入所している場合、生前お世話になった方々を多数に知らせたい場合……等々、個人的な考えがあります。
 いずれの場合も事前の準備を行っておくことが、本人に対する最後の愛情だと思います。 以上で、私からの話を終わります。ありがとうございました。

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